重要なのはバクテリアの量をコントロールすること
私自身、1990年後半ぶりにディスカス飼育を再開したところですが、当時から今でもフィルター・ろ過器の基本的なスタイルは変わっていないようです。
変わってはいないのですが、昔の情報と今の情報を比べてすり合わせることによって見えてくるものもあります。
それは結論から言うと、「どんなフィルターでもろ材(バクテリア)の量を見極めることが重要」ということになっているようです。
フィルターをたくさん付ければ良いとは限らない!
昔は「ろ過能力はあればあるほど良い」というのが通説でした。
ディスカスハンバーグという最高に水を汚しやすいエサを与えるディスカスを飼うには、その汚し具合に見合うだけのフィルター能力が必要だということで、昔の私は「上部フィルター」+「外部フィルター」+「スポンジフィルター」をという3つのフィルターを装備して飼っていました。
それがどうも最近の情報(お店の人の話やブログ等)を総合してみると「フィルターは多ければ多い程良いということにはならない」のが真実のようで、実際に飼育を再開して実感しています。
飼い始めて2か月も経ってくると、バクテリアもだいぶ湧いてきてpH(ペーハー)が下がり気味になってきますが、その下がり幅が1晩でまだ0.5ぐらいならまだ良いのですが、日が経つにつれその下がり幅が1.0とかどんどん大きくなってきます。もっともろ材が目詰まりしたとかそういった要因も考えられますが、そうでない場合もあります。
だから水換えをしてディスカスの場合pHをだいたい6.0ぐらいに保つ必要があるのですが、それだと毎日のように水換えをし続けないといけないわけです。昔はそれが当たり前でしたし、ディスカスを飼うなら水換え毎日は当然と言われている時代でした。
しかし!最近はどうもそうではないらしく、
ろ材の量を調整すべし!!
ということになっているようです。
フィルターをたくさん付けまくる
↓
バクテリアたくさん湧く
↓
バクテリアがめっちゃ仕事する
↓
仕事するのでpHが下がりまくる
↓
水換えで調整する
というようなループになります。
その下がり幅があまりにも大きすぎると、ディスカスのデリケートなエラなどがダメージを受けて調子悪くなる…ということになってしまうということです。
例えば前日の夜が6.0だったpHが次の朝には5.0に下がっていて、それを水換えで6.0に戻すわけですが、pHが1.0増減するだけで水素イオン濃度が100倍!違うらしいです。
「pH=水素イオンの濃度」なわけですが、、ディスカスにとっての100倍の濃度差というのはどの程度の影響があるかまでは分かりませんが、それが毎日の水替えでしょっちゅう上下しまくって、その上げ下げの幅が大きくなるとダメだよな…ということだけは分かります。
頑丈なグッピーやエンゼルフィッシュならいざ知らず、エラと胃腸がデリケートはディスカスにとってはこれは重大な問題です。
ろ材の量を抜くこと!
そこで必要になってくるのが
ろ材の量を調整すること
になります。
ぶっちゃけると、ろ材を抜いて減らすことです。
大事なのはろ材を洗ったりとかではなくて「抜くこと」「絶対量を減らすこと」が大事です。そうすることでその水槽に合ったベストなろ材の量を見極めることができます。
ブログやいろんな人の話を聞くと、
・ハンバーグを与えるディスカス飼育でも、スポンジフィルターだけで十分飼える。
・90㎝水槽に60㎝水槽用のフィルターを付けても充分飼える、というかそればベスト。
といったような意見がありますし、実際ショップなどはそれでやれている事実があります。
それはすなわち、「フィルターがたくさん無くても良い」「大事なのはろ材(=バクテリア)の量」であるということになるのではないか?
との仮説のもとに私は現在も実験中ですが、私自身の水槽のろ材黄金比みたいなものを探しています。
やり方としては、
・一晩で下がるpHの値が0.5未満になるように。
・亜硝酸塩が0.3㎎以内になるように。
の2つが満足できるような水槽環境になるようなろ材の量を見極めようとしています。
見極めに以下の「pHメーター」「亜硝酸塩チェッカー」の2つを使っています。
もちろんエサはハンバーグ・赤虫を6:4ぐらいの割合で1日3回ぐらい与えますし、その分たくさんフンをするので1日1回はフンを吸い出してその時に減った水を入れるぐらいです。
現在進行形なのですが、今のところ1週間ぐらいは亜硝酸塩がデッドゾーンに突入することはないです。
ろ材はすべてウールのみで試していますが一晩で下がるpHは0.1~0.2程度です。ディスカスの調子も良いので、今のところは上手くいっていると思っています。
↑は、私が使っているファインマットですが、ウールマットの中では
・ウールの密度の高い。
・マット式なのでろ過槽の中に折りたたんで入れられる。
・数の調整がしやすい。
などの理由でコレを使っています。特に密度の高さが良いポイントで、かさ張りやすいウールの中で使いやすいです。今はいくつかの種類のウールを試していますがそのうち全部コレに切り替えていこうと思っています。ウールの中ではおススメです!
ろ材の量があまり変わらなくても、通水量でろ過能力は変わる?
またちょっと話は脱線しますが、私自身の経験としまして120㎝水槽用に上部フィルターを使っていますが(2019年時点)、
水槽にセットで付いていた上部フィルター
↓
ろ過能力の高いと言われる大型上部フィルター
に交換したのですが、
交換前のセットフィルターは、ろ材の量=約0.14m3、ポンプの循環量=約12ℓ/1分間
だったのを、
交換後の大型フィルターは、ろ材の量=約0.19m3、ポンプの循環量=約24ℓ/1分間
にパワーアップしたところ、セットフィルターでは白ニゴリに悩まされていたのがウソのようにクリアな水になりました。
これで分かったことは、ろ材のボリュームがものすごく増えたわけではない(約0.05m3の差、およそ1.3倍程度)のに、ポンプの循環量が2倍になりろ材を通過する水の量も2倍になったことで、その結果劇的なろ過能力のアップに繋がったのでは?と考えています。
通水量がアップしたことで、こんなに変わることは驚きでした。
通水量もそうなのですが、大型フィルターではろ過槽内のほぼ全てに水が行き渡るようなシャワーパイプが付いていたこともあると考えています。
通水量のアップ+循環する場所のアップ=ろ過能力のアップ
ということが言えると思います。
これに味をしめて、ディスカスの数がどんどん増えていますが…
ちなみに、私が使っている上部フィルターとポンプはこちら。
シャワーパイプでろ過槽全体に水が行き渡るようになっています。
なかなか良いお値段がしますが…その値段に見合うだけのろ過能力があります!私自身、買う時は勇気がいりましたが、これにしてホントに良かったと思っています。
なによりディスカス飼育でガンガンエサやって楽しみたい方にはうってつけだと思います。
ちなみに「色」は「クリアー」がおススメです。「黒」もカッコ良いのですが、クリアーの方がろ材の汚れ方も一目で分かりますし、水槽の上に載せた時に圧迫感が無くなってスッキリします。
それからもう一つおすすめしたいポイントが、「ポンプの音は意外と静か」だという事。
大型のフィルターで通水量・揚水量の高いポンプだと音が気になる方もいらっしゃると思いますが、私個人の体感としては「それほど気になりません。」
どの程度の音かと言いますと、エアーポンプの90㎝用(もちろん静音タイプ)よりも音は小さいです。
の記事にも書いていますが、私は120㎝水槽をタタミ部屋にマットを敷いてその上に水槽をジカ置きしてそのヨコに布団敷いて寝ています。私個人としては普通に寝れるぐらいの音です。むしろ溜め水水槽のエアレーションのポコポコ音のほうが気になるぐらいです。
あくまで私の感覚ですが、そういった意見もあるということで購入の参考にしてみてはいかがでしょうか?
人それぞれの生活スタイルに合わせた、ろ材の量を見極めること
そしてもっと大事なことは「ろ材の量」を「その人に生活スタイルに合った量」にすることだと思います。
ディスカス飼育には100人いたら100通りの飼い方があるといわれますが、その「飼い方」は飼育者の生活スタイルに合ったものでなければ長続きしません。
ディスカス達の一番の敵は何かというと、「飼育者が飼うのを辞めてしまうこと」だと私は思っています。
飼い始めの頃は水換えも苦にならないとは思いますが、これをずっと続けるというのは相当なものです。
人それぞれ、
・水槽の大きさ(水の量)
・フィルターの種類
・ディスカスの数
・エサの種類や回数
・水換えの頻度
が違います。特に水換えの頻度や掃除を省力化できるかどうかは、長続きするかどうかの大きなポイントになります。
ベストろ材量を見極めることができれば、水換えだってそんなに必要はないですし、楽しいディスカスライフを送るためには必須なことだとさえ言えると思います。
水槽に近づいたり立ち上がったりするだけでも、すり寄ってくるディスカス達…かわいいったらないです!
そんな快適な環境を長く永く維持するためにも、あなたの生活スタイルに合ったベストなろ材の量の探求をぜひ行ってみていただきたいです。
まとめ
- どんなフィルターでもろ材(バクテリア)の量を見極めることが重要
- フィルターをたくさん付ければ良いとは限らない!
- ろ材の量を抜くこと!ろ材の量を調整すべし!!
- ろ材の量と通水量でろ過能力を見極めること
- 人それぞれの生活スタイルに合わせた、ろ材の量を見極めること
以上、私なりのろ過フィルターに関する考えでした。お役に立てば幸いです。